どらぐら日記

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和泉の移籍で考えるJリーグの移籍事情、そして名古屋の今後

和泉竜司が鹿島へ完全移籍

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和泉竜司が鹿島へ完全移籍しました。2016年に明治大学から名古屋に加入し、2017年以降は主力として定着。Jリーグ通算116試合に出場。2019年は6ゴールとキャリアハイの活躍を見せました。

 

2016年の降格により多くの選手が退団したなかチームにあって、いち早く残留を宣言してチームを引っ張った生え抜き4年目の背番号29には、「名古屋のバンディエラ(旗頭)」としての期待が大きかっただけに、残念でなりません。

 

この決断は本当に悩みましたし、簡単な決断ではありませんでした。でも自分自身成長するため、もっともっとサッカー選手、人として強くなるために決断しました。

 

移籍の理由は、やはりステップアップでした。入団当初から「24、5歳で欧州移籍」を公言していたほど上昇志向の強い選手だけに、毎年のように残留争いを強いられるチームでは物足りなくなってしまったのでしょう。海外移籍や日本代表への近道が「名古屋よりも鹿島」であることは明白であり、残念ながらこの事実を受け入れるしかありません。

 

格差社会」になりつつあるJリーグ~移籍市場の急激な変化~

 昨夏から若い日本人選手の欧州移籍が増えています。名古屋でも、当時は控え選手だった19歳の菅原由勢がオランダのAZに期限付移籍しています。

 

この影響を最も受けたクラブの一つが鹿島で、安部裕葵(バルセロナ)や鈴木優磨(シント・トロイデン)、安西幸輝ポルティモネンセ)が欧州へと旅立ちました。

 

選手を引き抜かれた鹿島は、国内から選手を補強。そのうちの一人が、期限付移籍で鹿島に移籍した相馬勇紀でした。そして今回、和泉が新たなターゲットとなり、完全移籍してしまいました。

 

シント・トロイデンやポルティモネンセのような日本人選手にとっての「登竜門」のようなクラブ、板倉滉や食野亮太郎の保有権を持つマンチェスター・シティのように将来的な選手の売却を視野に入れた「投資対象」として日本人選手を獲得するクラブの登場で、今後も欧州クラブによる日本人選手の「青田買い」は続きそうです。

 

そうなると、引き抜かれた国内クラブが代わりの選手を国内の別のクラブから補強する流れも続くでしょう。国内の弱小クラブが強豪クラブの「草刈り場」となる。元よりDAZNマネーの影響でその傾向はありましたが、国内強豪よりも立場の強い欧州クラブによる青田買いの増加により、Jリーグにもいよいよ、欧州各国リーグのような「格差社会」が本格的に到来しようとしているのかもしれません。

 

「弱者」になる前に

本格的な「格差社会」の到来を前に、名古屋はどうなるのか? どうすれば良いのか?

 

答えは明白で、強いクラブになるしか道はありません。

 

和泉の移籍に話を戻すと、名古屋の強化部も手をこまねいていたわけではなく、年末の時点で代役として、川崎のMF阿部浩之を完全移籍で獲得していました。また、鹿島に期限付移籍している相馬勇紀も名古屋への復帰が濃厚と報じられています。和泉の残留交渉に失敗した責任は問われても仕方ありませんが、次善の策については評価できます。

 

主力の移籍が和泉一人で済むのかどうかはわかりませんが、上位の川崎から阿部、広島からMF稲垣祥といった主力選手を獲得できている点から見ても、名古屋グランパスというクラブに魅力が全くないわけではありません。和泉の移籍をもって、必要以上に卑下する必要はないと思います。

 

 ただ、Jリーグの移籍事情が変わりつつあるなか、名古屋に有力選手が来てくれる状況がいつまで続くかわかりません。本格的に「弱者」になる前に、「強者」にならないといけません。そういう意味でも、2020年は名古屋グランパスにとって正念場となりそうです。