どらぐら日記

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「貫く」が仇となった2019年シーズン

「貫く」が仇に?

名古屋グランパスの2019年シーズンが終わりました。開幕前に「目標はACL圏内」と小西社長は語りましたが、結果は13位。結局、今季も残留争いに巻き込まれ、降格を回避するのが精一杯という低調なシーズンに終わりました。

 

シーズン序盤は首位に立つほど好調だったのにも関わらず、徐々に勝てなくなり、監督交代後もその傾向は変わらないままでした。

 

「何が悪かったのか」。それは人によって答えが変わるでしょうが、私は「貫く」というスローガンが仇になってしまったのかなと思います。 

遅れてしまった監督交代

一部報道では、7月20日G大阪戦で引き分けに終わった時点で、強化部は風間前監督を解任する方針を固めていたものの、小西社長が風間前監督を支持したため、監督交代は据え置きになったと言われています。

 

結局、その後も成績は向上せず、9月13日の清水戦後に風間前監督は解任されました。7月の時点で「風間前監督では戦えない」と判断した強化部の考えは正しかったと言えるでしょう。

 

「たられば」を言っても仕方ないことは承知していますが、もしも7月の時点で監督を交代していたら、どうなっていたのでしょうか。新監督の戦術に合う選手を補強できたり、あるいはこの夏に移籍した選手のうち、何人かを引き留めることができたかもしれません。新監督の戦術を浸透させる時間も多く確保できたことでしょう。

 

一方で、小西社長が風間前監督を支持する理由も理解はできます。名古屋の観客動員が増加した一因は、「風間氏のもとで攻撃的なサッカースタイルを確立する」という方針を「貫いている」ことがサポーターに支持されているからです。言い換えれば、風間前監督を切ることは、「貫けなかった」というイメージダウンに繋がり、営業面でマイナスになりかねません(というか、実際にそうなっているような…)。

 

そう考えると、今季のスローガンでもある「貫く」という言葉が、結果的にクラブにとって足枷となってしまった感は否めません。継続性は確かに重要ですが、何でも続ければ良いというわけではありません。ダメだと思ったら「見切る」勇気も必要です。

 

監督交代が遅れた結果、「選手流出により選手層が薄い」「補強ができない」「戦術を浸透させる時間が足りない」という三重苦の状況で、フィッカデンティ監督(以下、マッシモ)にバトンを渡すことになってしまいました。

 

後を引き継いだマッシモも状況を改善させることはできず、残留という最低限の結果を残したものの、何とも後味の悪いシーズンの幕切れとなってしまいました。 

2016年の教訓を活かせず

決断が遅れてしまって苦しんだシーズンと言えば、J2に降格してしまった2016年もそうでした。7月下旬のホーム・甲府戦に敗れた後、不満を爆発させた多くのサポーターがゴール裏に居残りました。

 

当時の小倉監督では限界だったのは誰の目にも明らかでしたが、クラブは続投を決めました。結局、それから1ヶ月後に小倉監督は解任されるわけですが、もっと早く監督を交代していれば、降格を回避できていたかもしれません。

 

 シーズン途中での監督交代の判断は難しいものですが、3年前も今年も、名古屋はそのタイミングに失敗してしまったと言えるでしょう。

 その「貫く」は正しかったのか?

「貫く」と掲げた2019年シーズン。「貫けなかった」という批判もありますが、個人的には「貫く」ことそのものが悪い方向に働いてしまった感は否めません。昨年までの課題を解決できなかったことが、今年の低迷につながってしまったと言えるでしょう。

 

風間前監督はもちろん、現監督であるマッシモも、共に結果を出せませんでした。それぞれのサッカーの課題としっかりと向き合い、一つ一つ解決していくことが来季浮上のカギとなると思います。